真面目なお話用

Light and shadow ~カミサマ ノ イウトオリ3~



ー ODKお気に入りの”例の居酒屋”にて





大将「(……!!



おっ、今日はちょっとやっかいな客が来るなぁ…



……さぁて、どうしたもんかな~……)」





(……ガラッ!!)





大将「……らっしゃい~」




客「………………」





大将「とりあえず、なんか飲みます?」





客「…………じゃあ……芋のロック…」




大将「はいよっ。



………お待たせ(…コトッ)」





客「………………(ゴクッゴクッ!!)……





……………た、大将っ………




…実は俺、ここに来たのは…」





大将「知ってるよ」





客「……えっ」





大将「あんたが懸命に尽くしてきた会社に理不尽な追い出され方をした事……




……おぉっ、30年かぁ~…………役職も立派だったもんだ。




そして結局、家族とも離れ離れ…。その後は分かりやすく酒とギャンブルにどっぷり浸かる日々………そして貯金が底をついた……と




……あっ!もちろん、上着に包丁仕込んでるのも分かってるからね~♪」






強盗客「なっ……!!!





……な、なぜだっ!?………なぜそれをっ………」





大将「ま!俺はこう見えて人一倍の情報通だからな♪




…しっかし、うらやましいぐらいな包丁をいい大人がそんな使い方しやがって…




正しく使ってくれねぇかなぁ?職人さんも泣くからさ~…




で…、金を手に入れてどうするつもりだったのよ?




さすがの俺も、未来のことまでは分かんなくてね」





強盗客「………わからん…。もう、夢も希望もどっかいっちまったよ…



とりあえずは…どこか遠くで、静かに過ごしたい…




……ははは…っ! しかし……”権力”ってのは、残酷だなぁ…





人の30年もの歳月はおろか、何者なのかも、何のために生きてるかも…………すべて失わせることができるとは……



……おまけに自身は無傷ときた……」




大将「…………」





強盗客「…なぁ、大将っ!!こんなんで世の中………




大将「ちょいストップ!!!」






強盗客「………!?」






大将「んん~っ………




…………決めたっ!!




あんた、今日からウチで働きな♪」





強盗客「……………はっ?」





大将「そう愚痴を言い続けたところで、何かが変わるわけじゃないだろ~。




何よりグダグダ言ってる ”時間"がもったいねぇ……




これ以上無駄にしないよう、とりあえずあんたの”時間”……俺が買う」





強盗客「……ん?……んんん?……そ、それはどういう…」




大将「……いや実はな、そろそろ新店舗をオープンさせようと思ってるんだが、なかなか任せられる奴がいなくてよぉ…



アンタは店に入ってきたときに思ったが、ちょっと身だしなみ整えりゃなかなかダンディなおじさまって感じだ。」




強盗客「……はぁ、どうも………」




大将「俺はあんまり過去の栄光話に興味はないが、長年の社会人経験と着実に出世していった実績はダテじゃないだろ……



きっと組織の管理にもある程度精通していると見た!!



ここで働きながらスキルを磨いてもらい、一人前になったら新店舗を任せる。




今は若い女の子にもおじさまは人気だからな…アンタを筆頭にそういうコンセプトの店をやればウケもいいだろ……




ちなみにその間、もしあんたに新たな ”夢” ができたら……俺は止めない。

もうガンガン勝負しな!!」




強盗客「…い………いやぁ~~……そりゃ、いい話だけど…



…しかし、俺は飲食店の事なんて…ましてや料理なんて一度も…」




大将「あのなぁ~…




”何かを変えなきゃ何も変わらない”んだぜ!?




RPGだってレベル1からのスタートはワクワクするだろ~?




スタートラインはいつでも自分の心が決める!


もちろん、それに回数制限も資格もいらねぇ!!




また積み上げて行きゃあいいんだよ!!!」





強盗客「……!!!」





大将「……で、どうする?やんの?やんないの?」





強盗客「…………そうだ…




……俺だって…まだまだ……………




……やるっ………………やらせてくれ……っ!!





大将「おっ!いいねぇ~♪そういうノリ大事よ!




(パン!パン!!)




えー!店内の皆さま!


いつも当店をご贔屓にしていただき、ありがとうございます!



今日からこの人、ココで働くことになりました~!


ゆくゆくはこの店の新店舗を任せたいなぁ~と思ってますので


どうか皆さんお見知りおきを!




そして応援していただけるようであれば、ぜひ温かく見守ってやってください……お願いしますっ!!」






\おいおい、マジかよっ……/




       \大将も人が良すぎねぇか~?/





強盗客「………うっ…」



……



………………




常連客「…お、おう!!そうか、うん…まぁ、頑張んな!」(パチパチパチ!)




中年男性客「……なんだかよくわからんけど、いいじゃない!第二の人生の幕開けか~!同世代として、刺激になるわ!わはははっ!!」(パチパチパチ!)




女性客「…そうねぇ、よく見ればなかなかイケてる顔してるわね~。ワタシ、頻繁に通っちゃおうかしら♪」(パチパチパチ!)




(パチパチパチパチ………!!)





強盗客「………!!??




こっ、こんな事……っ…





みなさん…………あり…がとう………ございますっ……」




大将「(…フフッ)



よぉし!そうと決まれば早速始動だ!



…ほら、とりあえず1万だ。これで近くの銭湯でも行ってサッパリして…



ついでにカンタンなやつでいいから服も買って来い。



場所については街の人に聞きな。ここいらの人は親切だ。



戻ってきたら……まずはメシ食え。作ってやるから。詳しい話はその後だ♪」




元・強盗客「…わ……わかりました!」




大将「あ、ちなみにこれからこの店ピークだから、30分以内ね♪

間に合わなければこの話はナシだ」




元・強盗客「ええっ!?ちょ、ちょっとそれはキビシイですよっ!ただでさえこの街はあまり知らないのに…それに…」




大将「バカ野郎っ!



厨房はいつでもスピード勝負なんだよ!それにな、相も変わらず”やる前から諦める”奴なら……この店にゃいらねぇぞ?



……ちっ!す~ぐ ”できない理由” 並べやがって…これだから(…ブツブツ)」



元・強盗客「………!!!……ぬぅ!!



い、いってきますっ!!(…タタタッ!!)」




大将「……ああああっ!ちょちょ、ちょい待ち!!!



アンタそんな物騒なモノ持ったままじゃ誰も助けてくれねぇよ……ほら、それ貸しな。マイ包丁として正しく使うといいさ。預かっててやるよ。」




元・強盗客「…あ、そっか。すみません……」




大将「……さぁ!ほら、グズグズすんな!



レッツゴゥッ!!!」





元・強盗客「…よしっ!!(…タタタタタタッツ!!!!)」




(……………あのすみません!銭湯どこですかっ!? )





大将「……ハハハッ!」




女性客「……へぇ~すごいね大将♪一人の命、救ったじゃん」




大将「いやいやいや!!俺は ”自分にできること” をしたまでですよ♪




それに……もしかしたら守れたのは ”一人の命” だけじゃなかったもしれません…




俺がヘタしてたら、最悪の場合…………




……いや、考えるのはよしますか。




なんつーか、一気に大勢の人を救おうなんて思う必要ないんですよね~




誰かが一人でも寄り添ってくれるだけで、人は生きれる。




ひとりひとりが身近にいる誰かの事を想い、自分ができることをしてみる、寄り添ってみる……




…そして、それが実は ”見知らぬ多くの命” までも救ってる事になる。




ココだけの話…”人”はそれができるようになってるんですよ♪



それはさておき……はいお待たせ!刺身盛り~!!(騒がせちゃったから、ちょいとサービスしときましたんで!)」





(……ガラッ!)




ODK「大将こんばんは~!!



ねえ、さっき店からすっげーキタネーおっさん飛び出してきたけど、大丈夫?



そして聞いてくれよぉ~!もう俺、仕事辞めたいよ~!!こんな毎日いやだぁ~!!!い~や~だ~!!!」





大将「相変わらずだなぁ、お前は……




………なぁODK、お前には ”夢” ってものはあるかい?」




ODK「えっ?…いや、そりゃあ~…まぁ………何よ急に?」




大将「………今の世の中、何が起こるか分からねぇ…



”時間は思ってる以上に有限”だ。



保証なんてものは、今となっちゃどこにもない……



……だったら、少しでも全力で走ってたほうがいいんじゃないか?



それに俺の性格上、先の事とかなぁんも分からなくても ”自分の人生”を懸命に生きる奴に、どうも味方したくなるんだよなぁ~」



ODK「……いや、でもほら…それは………



……止まらず働かなきゃ、生きていけないしさ~……それに……」




大将「……生きるも死ぬも…幸も不幸も…



この世はすべて表裏一体……



率直に言うが…もしかしたら今日、お前は俺のおかげで命拾いしたかもしれないんだぜ?



自分押し殺してイヤイヤ働くODK……それがお前のラストシーンだったかもしれない。いいのかそれで?」




ODK「……ひぃ!そ、そ、そいつぁちょっと…避けたい…かなぁ~」





大将「ま!すべては ”自分の選択” 次第……っつーことかな?





………で






お前は”明日”を、どう生きる?」




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30
「楽しく仕事したい!」と決意し30歳で会社を退職、カメラ購入と同時に開業。バイトで生活費を稼ぎながら写真撮影、動画・インタビュー記事制作などの案件を頂きその人の魅力を発信中。Instagram⇨https://www.instagram.com/odk1987/?hl=ja

コメント12件

??「……んん!!さっすがMisaeさん…いい推理するねぇ~!!おっしゃる通り、ODKの事も最初は誘おうとは思ったんだが… ”まだ自力で動ける可能性があるヤツ” については、なるべく手ぇ貸すのはやめてんのよ♪自分の力で動いてみて、どうしてもっていう状況になった時には…ま、引き上げてやろうかなぁ!そうそう新人君だが、不器用だが一生懸命やってるよ♪今度ぜひ食べに来てあげてくれ!」
??「さすがたぬきさん!!わかる?ホントもったいねぇよなぁ~!!ったく、せっかく俺が苦労して創ったのによ…色々と無駄遣いしやがって…(ブツブツ)。そしてきっと自分が”今”を懸命に生きていれば、必要に応じて”救ってくれる人”は現れる……何だかそんな気がするなぁ♪まずは動いてみることが大事かもな!」
↑たぬきさんへの返信にめっちゃ共感!!懸命に今を生きつつ、自分から動くのも大事大事!ほんとそー思うダス!⭐️(๑•̀ㅂ•́)و✧
??「はははっ!!相変わらずめゐさんは面白いねぇ~!そうきましたか!なんつーか、俺もできればの~んびり店やってたいんだけど、人間の世界には色んな人がいるからねぇ…たまにどーしてもシリアスな話になっちまうんだが…その際は事前に分かるよう、店の前に看板出しておくからさ!……ってあれ?今回出してなかった?俺、忘れてた?」
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