目が覚めたら

Everlasthing Girl ~朝、目が覚めたら~




(……やばい)




(…やばいやつだよコレ)




(今月もう何回目だよ…………金縛り




(くそっ…目が開かねぇ…)




「(…あー……あーっ……)」




(……やっぱ声も出ねぇか)




(はぁ……身体がいうことを聞くわけもなく…)




(……あ、ずっと横向きで寝てたのか……肩が痛いな。)




(うーん、寝返りうちたい…)




(……しかもさ、金縛りの何が怖いってさ)




(よく聞くじゃん……‟目を開けたら何かがいる”って。)




(もう俺、そういうのホントにダメなの)





(なのにね…)




(いっつも目を開けたがる自分がいるの。何とかしたいよこの性格…。)





(…………せっかくだし、今日も開けてみるか)




……ふんっ!!





(……ぐっ…瞼が……固いっ……)




(ぐぬぅ……)




(……おっ!少しずつ…開いてきたっ…!!あと少し!!





(頼む…!!何もいませんように!!!)



……



………!!






(…………誰コレ???)





(えっ……女の子っ!? なぜ女の子が俺のベッドに!?)





(ちょちょちょ、ちょい待ち……まさか俺、連れ込んだ!?




(いやいやいやいや!!!ここは実家やぞ!!



そんな勇気、俺にあるはずない!!)




(……うん、そうだ俺は無実だ。悲しいけど間違いない。)





(…あ、俺と同じ……高校…生…かな?)




(いや、そうだよな…セーラー服着てるし…なんか大人っぽい雰囲気だし…)





(ていうか、直球で言えば………古い…)




(髪型といい、制服の感じといい…なんか‟昭和感”がすげぇ…)




(これ、もし第一印象を聞かれたら

「‟セーラー服と機関銃”って感じ」としか答えられないような……失礼か?)





(そして何より、顔が見えんな…)




(くそ~!!声が出れば起こしたいのに……こっち向いてくれないk…)





女の子「…んっ……ん~~~」





(おわわっ!!!!こっち向くぞ!!!)





(ラッキー!!ラッ………!!)




……




(………あ、やべ)





(……超可愛い)





(えっえっ!!ど、どどどどうしよ!!!



どストライクなんですけれどもっ!?)




(ああもう!!声かけたい!!!起きてっ!!起きてっ!!!!!)




「(あ、あのっ…!!!あの~…おーい!!おーーーーい!!)」




(くっそぉーー!!!全然声でねぇよ!!!!)





(…何話したらいいか分かんないけど、とにかくこのチャンスを逃したら俺…)





(そして君は一体………)





(…ぬおおおおおおーーっ!!!!)





「(あのあのあのあのあのあのあのあのあの!!!!!!)」





「あ の っ!!!!」





……あれっ?




(……ドタドタドタ!!………ガチャッ!!)




母「ちょっとアンタ大丈夫!?なによ朝っぱらから大声出して~」





「えっ……あ、いやっ………ほっ!?



…!!俺の美少女はっ……!?……………あっ…」





母「……そこの思春期男子、早く起きて引っ越し準備の手伝いをしなさい」






………



リビングに降りると、新聞紙に包まれた食器類がテーブルの上に置かれ

周囲は段ボールが山積みになっていた。





転勤の多い父親のおかげ(せい?)で、僕は各地を転々としていた。




これで何回目か…まぁ、高校も明日卒業で区切りがいいし


何よりいろんな場所で暮らせるのは正直楽しかったりする。




今日は天気がいいな。




…と、陽の当たる窓際で、何やら父親が背中を丸めて何かを眺めている。




「何やってんの?」





父「ん? おぉ、起きたか。



いや、俺の学生時代のアルバムがあったんで、つい……な」




「ふぅ~ん……


……うへぇ!!こりゃまた時代を感じるアルバムだねぇ!!


もうこの色あせた感じが何とも言えな………





………!!??





ああぁぁぁぁあああぁああ!!??」





父「……!? 何だよ急に~……耳元で叫ぶんじゃねぇ!」





「………おっ、お…親父………あ、あの~…ここに写ってる方は?」





父「??……おおっ!!お前もあまりの可愛さに驚いたか!



さすが俺の息子だな!!いいセンスをしてるぞ!!




お母さんはなぁ~、学校じゃそれはもうすごい人気だったんだぞ?



俗にいう‟マドンナ”ってやつだな♪ …なんだ、見せたことなかったか?」





「……!!!???




……か、母ちゃん!!??




この女の子が、俺の母ちゃん!?




そ、そんなぁ~~!!!………でも……いや、やっぱ間違いない………」





母「……さっきから聞いてれば何よ…面影がないっていうの!?



退化したって言いたいんなら、お父さんのほうが断然ひどいんだから!!



当時はサッカー部の人気選手で、もうシュッとしててカッコよかったの…



何だか‟大物カップル誕生”みたいに学校で噂になっちゃったりして……



……それが今や見てみなさいよ、このお腹!!!



いつまでサッカーボール抱えてんのよ!!



それに比べれば、私はまだマシでしょ~!?」





父「あっはっはっ!!!



何言ってんだよ、俺の中ではお母さんはあの時のままだよ。



…いや、むしろ当時より好きな気持ちは強くなってるぐらいだなっ!!うん!!」





母「……………もうっ!!



食器しまっちゃったから、近くでお弁当でも買ってくる!!


サボらないで早く片づけ進めておいてね!!」




父「……ほーい。 …おっ!!これも懐かしいなぁ~!!(……フフッ)」





……



気のせいだろうか……




二人が言い合う光景に、何だか”当時”の姿が重なったような……





………そっか。





いくつ年齢を重ねても




「親」という立場になったとしても




二人はいつまでも………






「……親父」





父「……ん~?」








「…あれは、惚れるわ」

















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30
「楽しく仕事したい!」と決意し30歳で会社を退職、カメラ購入と同時に開業。バイトで生活費を稼ぎながら写真撮影、動画・インタビュー記事制作などの案件を頂きその人の魅力を発信中。Instagram⇨https://www.instagram.com/odk1987/?hl=ja

コメント5件

自然と笑みが出るような素敵なハッピーエンドですね(*´▽`*)
unimamさん おおおっ!!!?意表をつかれた感じですか!?はっはっは!!嬉しいですなぁ♬( ´∀`) ちなみにこれを書いた日の朝は、マジで金縛りにあったんですよ笑 そこから着想を得ました(ウラ話)
いろはクロスさん 嬉しいコメントありがとうございます☆ヾ(≧▽≦)ノ 思春期の子供に暴言はかれる母親を、父親はどういう気持ちで見るんだろう…ってずっと気になってたんですよね笑
スナドリネコさん あっあっ!!!!!その展開、嫌いじゃないですよ!!ヽ(゚▽、゚)ノ 『となりのト○トロ~序章~』という形で映画化してもらえるよう、ちょっとジブ○リに話もちかけてみます♬笑
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